「第2回WPPC岐阜県・人道の丘公園」のご報告です。
2018年10月13日に、岐阜県八百津町の「人道の丘公園」で、有志の方々によるWPPCが開催されました。当NPO法人が主催したり後援したりなどはございませんでしたが、有志の方々は、当NPO法人と同様に、世界平和の実現を目指しておられますので、今回、WPPCのご報告を、当NPO法人のウエブページに掲載させていただくことにしました。
以下、有志の方からのご報告です。
10月13日土曜日、岐阜県は八百津町の人道の丘公園でWPPCを開催いたしました。同地での開催は昨年に引き続き2回目になります。
人道の丘公園は戦時中にリトアニア大使だった杉原千畝氏の出身地であることにちなみ開設されました。欧州では大戦が始まっていた昭和15年夏、ナチスに追われて第3国への脱出を希望したユダヤ人に、杉原氏は自らの判断でビザを発行します。結果として約2000枚以上のビザが発行され家族を含めてその何倍の人数の人々がナチスの手から逃れることが出来ました。
人道の丘公園には杉原氏に関する資料を展示した記念館が設置されています。私たちはその記念館に隣接した野外広場でセレモニーを行いました。なだらかな丘陵地の上にある広場からは八百津の町と木曽川の流れを見渡すことが出来ます。当日は東京周辺から十数名の仲間が集まって下さいました。
公園の職員の方にご挨拶とWPPCの紹介をさせて頂き、リハーサルののちに12時から予定通り開始です。定期的に湧きあがる噴水の音と上手く調和しつつ、池の周囲を回りながら一国ずつ平和を祈っていきます。
最近はイスラエルをはじめ世界各地からも同地への外国人訪問者が多いと聞いていましたが、今回は外国の方は見えず、地元の方が憩いの時間を過ごされている中での開催となりました。セレモニーは我々メンバーのみの参加でしたが、小さい子供たちを連れたお母さんや、仏事の行き帰りに立ち寄った方たちが興味深く我々を見ていたのが印象的でした。
空はくもりがちでしたが、セレモニー中に一分ほど日輪が雲間から現れて我々を応援してくれました。
国旗カードを掲げて各国の平和を祈りながら、千畝氏のビザによって生きながらえた人々や子孫がこれらの国に立ち寄ったり、住んでいたりするのだろうかと思って感慨深くなってきた頃、セレモニーは無事終了しました。
公園内の記念館でも色々なことを考えさせられました。館内には彼の生い立ちや、リトアニア大使時代に関する資料や写真がたくさんあります。妻子と写っている杉原氏の写真を拝見すると、良い意味で普通の日本人男性にしか見えませんでした。きっと社会人としても家庭人としてもごく良識的だったのでしょう。一方で、夜も寝ずに彼が肉筆で書き続けたという、黄色に色褪せたビザが何枚か展示されています。自らの考えと政府からの指示との間の葛藤に悩みながらも1人でも多く人を救おうとした杉原氏の行動の根底にあるのは人類愛の精神そのものであったと思います。一見普通の人のように生活していながらもいざという時に自らの役割を信じて超常識の選択が出来るかで人間の真価が問われるのかもしれないと感じました。
最後になりましたが、当日参加いただいたすべての方に感謝いたします。皆様のお力を借りながら今後もさらに発展させていければと思っています。
H・K